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プレタール錠50・100安全性情報

2004年6月
大塚製薬株式会社
(04-042)

プレタール錠50・100(シロスタゾール)による脳出血等の頭蓋内出血について

 平成15年4月に脳梗塞再発抑制の効能・効果が承認されて以降、本剤を脳梗塞再発抑制に使用した患者で、本剤との関連性が疑われる脳出血等の頭蓋内出血が15例(うち死亡6例)報告されています。
[推定使用患者数約25,000人(平成16年4月末現在)]。頭蓋内出血は梗塞部位とは異なる箇所でも認められています。
 脳出血については本剤の発売後早期から使用上の注意に記載し、注意を喚起してまいりました。
しかしながら、脳梗塞再発抑制での使用症例が増加しつつありますので、これまでの頭蓋内出血の報告例から認められる注意点として、抗血小板剤等との相互作用並びに血圧の管理について、使用上の注意の「重要な基本的注意」の項に追加記載し、注意をお願いすることといたしました。
さらに、「重大な副作用」の項に記載している出血について、頭蓋内出血(脳出血を含む)とそれ以外の出血とに分けて記載することで、改めて注意をお願いすることといたしました。
脳梗塞再発抑制を目的とした本剤のご使用に際しましては、下記の点に特にご注意くださいますようお願い申し上げます。

1.抗血小板剤(特にアスピリン)等の血小板凝集、血液凝固に抑制的に働く薬剤との併用には注意してください。
 本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これらの薬剤と併用すると出血を助長するおそれがあります。
  これらの薬剤との併用開始前には、出血の副作用を予知するため血液凝固能検査等を十分に行ってください。


2. 脳梗塞の患者では特に血圧の変動に留意し、高血圧が持続する患者への投与は慎重に行い、投与中は十分な血圧のコントロールを行ってください。
 脳梗塞患者での脳出血等の頭蓋内出血の発症には、血圧の変動も要因の一つと考えられますので、脳梗塞の治療中ならびに本剤投与中は血圧の管理にご留意いただき、患者にも血圧コントロールの必要性をご指導ください。

上記に関連する使用上の注意は、最終頁に記載していますのでご確認願います。


脳出血等の頭蓋内出血を発現した症例の概要

<症例 1>
副作用名:
脳出血

被疑薬:
プレタール、アスピリン

患者(性・年齢):
女・70代

使用理由〔合併症〕:
脳梗塞〔なし〕

投与量・投与期間:
200mg/日・8日間
経過及び処置
投与8日前 脳梗塞で入院。入院直後は口もきけない状態であった。
濃グリセリン・果糖、乳酸リンゲル液(マルトース加)、塩酸ニカルジピン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム投与開始。
投与7日前維持液投与開始。
投与3日前塩酸ラニチジン投与開始。
投与1日前アスピリン投与開始。
投与開始日プレタール投与開始。
投与8日目
(中止日)
朝食時、誤嚥嘔吐、意識障害、呼吸状態増悪傾向認められた。
頭部 CTにて、広範囲のクモ膜下出血認められた。同時に脳梗塞と同部位にも出血(+)(発症部位の確定は不可能)。血管造影は施行せず。
呼吸停止する可能性あり、気管内挿管し、人工呼吸器使用した。血圧降下目的にて塩酸ジルチアゼム使用。
濃グリセリン・果糖 1000mL/日、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム 50mg/日、臭化パンクロニウム 15.36mg/日投与開始。
アスピリン、プレタール投与中止。
中止4日目人工呼吸器使用にて呼吸状態良好、意識改善なし。
中止8日目呼吸状態安定しているが、人工呼吸器離脱できないため、気管切開術施行。
この頃より時々、開眼のみあり、会話などは不可能。
中止10日目頭部CT再施行。クモ膜下に出血認めるが、前回よりかなり改善。HDA(Highdensity area)は1/3以下になる。
転帰:中止10日目、未回復

処置薬:塩酸ジルチアゼム、濃グリセ リン・果糖、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム、臭化パンクロニウム

  投与約2年
3カ月半前
投与
7日前
投与
6日前
投与
2日目
中止
1日目
中止
4日目
中止
8日目
中止
13日目
    朝8時台 朝8時台 朝8時台 朝8時台 朝8時台 朝8時台 朝10時台
血小板(万/μL) 18.7 18.4 16.7 18.9 25.5 26.6 24.6 20.7
収縮期血圧(mmHg)   180   126 130 128    
拡張期血圧〔mmHg)   96   82 80 78    


併用薬:アスピリン、塩酸ニカルジピン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリワム、濃クリセリン゜果糖、乳酸リンゲル液(マルトース加)、維持液、塩酸ラニチジン



<症例2>
副作用名:
脳内出血

被疑薬:
プレタール、アスピリン、イブジラスト

患者(性・年齢):
男・80代

使用理由〔合併症〕:
脳梗塞 [高血圧症]

投与量・投与期間:
100mg/日・11日間
経過及び処置
 
投与11日前脳梗塞発症。
<梗塞部位>左前頭葉皮質と左頭頂葉皮質に梗塞巣あり。
投与10日前アスピリン、レバミピド投与開始。
投与開始日プレタール、イブジラスト投与開始。
投与10日目他院に転送したが、
投与11日目
(中止日)
本日リハビリ後に意識レベル低下。
全薬剤投与中止。
中止1日目C Tにて脳内出血が認められ、再度当院に入院した。
<出血部位>右前頭葉皮質から白質に及ぶ約3×4×7cm(約70mL)の出血。一部は脳室へ穿破している。
濃グリセリン・果糖などにて保存的に治療した。
出血時間3分 0秒、凝固時間8分30秒と正常。
合併した入院当初よりの嚥下性肺炎が改善せず、38℃以上の高熱のため衰弱し、
中止11日目死亡。剖検なし。
 転帰:中止11日目、死亡

処置薬:濃グリセリン・果糖

  正常(下) 正常(上) 投与6日前 中止1日目 中止7日目
収縮期血圧(mmHg)       136 140
拡張期血圧(mmHg)       60 70
血小板(万/μL) 13.1 36.2 27.0 24.7 22.4
出血時間(min)       3  
凝固時間(min) 7.00 12.00   8.30  
プロトロンビン時間(sec) 10.0 13.5   13.7  


併用薬:アスピリン、イブジラスト、レバミピド