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平成14年10月 NO.02-04
ラジカット注30mg(エダラポン)投与中又は投与後の急性腎不全について
平成13年6月1日の発売以降,本剤投与中又は投与後に重篤な腎機能障害があらわれた症例が29例(うち本剤との因果関係が否定できない死亡例が10例,因果関係不明の死亡例が2例)報告されています〔推定使用患者数:約146,000人(平成14年9月末現在)〕。急性腎不全については,本年6月に「使用上の注意」の「重大な副作用」の項に記載し注意を喚起しておりましたが,このたび「禁忌」,「慎重投与」及び「重要な基本的注意」を追加し,改めて注意喚起を図ることといたしました。
本剤の使用にあたっては,下記の点に十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。また,本剤投与中又は投与後に急性腎不全又は腎機能障害の増悪があらわれた場合には,直ちに弊社医薬情報担当者にご連絡ください。
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1.
重篤な腎機能障害のある患者には投与しないこと。
本剤投与中に急性腎不全又は腎機能障害の増悪があらわれ,致命的な経過をたどる症例が報告されているので,重篤な腎機能障害のある患者には木剤を投与しないでください。
2.
腎機能障害,肝機能障害又は心疾患のある患者には,慎重に投与すること。 29例の報告症例の中には,合併症として腎機能障害,肝機能障害,心疾患を有する患者が多く認められています。これらの危険因子をもつ患者に対しては,十分な観察を行いながら慎重に投与してください。
3.
本剤投与中及び投与後は腎機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと。 急性腎不全又は腎機能障害の増悪があらわれ,致命的な経過をたどることがあるので,本剤投与中及び投与後は腎機能検査を実施するなど観察を十分に行い,乏尿等の異常が認められた場合には,直ちに投与を中止し,適切な処置を行ってください。とくに80歳以上の患者においては,致命的な経過をたどる例が多く報告されているので注意してください。 |
「禁忌」,「慎重投与」及び「重要な基本的注意」を追加するとともに「重大な副作用」の項を−部変更し,「使用上の注意」を裏面のとおり改訂いたしましたのであわせてご連絡いたします。
三菱ウェルファーマ株式会社 お問い合わせ先:製品情報部 電話:06-6227-4607
<症例の概要>
| 1 |
男.
50代
脳梗塞
(慢性腎不全、狭心症)
60mg、
5日間 |
慢性腎不全急性増悪,肝機能障害
投与開始日:脳梗塞に対して本剤投与開始。
投与4日目:血清クレアチニン1.15から1.46に上昇。
AST(GOT)127,ALT(GPT)79, LDH670,γーGTP86.
投与5日目(中止日):血小板20万から11万と低下を伴い,D−ダイマー上昇,AT-V低下(63%)を伴った為、preDICとしてヘパリンナトリウム、メシル酸ナファモスタット、乾燥濃縮人アンチトロンビンV投与
AM:AST(GOT) 1,252, ALT(GPT) 697, LDH2,064, T-Bil 3.5
PM:AST(GOT) 1,331, ALT(GPT) 722, LDH1,487,
中止8日後:血清クレアチニン3.99と上昇。BUN71を伴ったため,CHDF(持続的血液透析濾過法)施行。
中止10日後:AST(GOT) 32, ALT(GPT) 44, γーGTP 96, T-Bil 1.0, 血小板25万。
中止17日後:CHDF終了。
中止24日後:肝機能障害回復。
中止26日後:クレアチニン1.79。強制利尿。慢性腎不全増悪軽快。
|
投与
開始日 |
投与
4日目 |
投与
5日目 |
中止
4日後 |
中止
6日後 |
中止
8日後 |
中止
17日後 |
中止
24日後 |
| BUN(mg/dL) |
14 |
33 |
40 |
32 |
38 |
71 |
44 |
56 |
| 血清クレアチニン(mg/dL) |
1,15 |
1.46 |
1.62 / 1.53 |
1.53 |
2.06 |
3.99 |
1.96 |
2.01 |
| 白血球数(/mm3) |
9,100 |
11,200 |
11,300 |
11,210 |
10,300 |
14,100 |
9,900 |
9,100 |
| 血清カリウム(mEq/L) |
3.7 |
4.2 |
4.9 |
3.9 |
4.0 |
4.2 |
3.9 |
3.8 |
| AST(GO丁)(IU/L) |
22 |
127 |
1,252 / 1,331 |
291 |
91 |
47 |
35 |
31 |
| ALT(GPT)(IU/L) |
17 |
79 |
697 / 722 |
395 |
176 |
53 |
26 |
27 |
| γ-GTP(IU/L) |
52 |
86 |
108 |
100 |
98 |
- |
461 |
339 |
| 総ビリルビン(mg/dL) |
0.7 |
- |
3.5 |
1.9 |
2.3 |
1.8 |
0.6 |
- |
| LDH (IU/L) |
256 |
670 |
2,064 / 1,487 |
- |
579 |
- |
- |
- |
| V小板数(10000/mm3) |
20.2 |
11.8 |
11.5 |
14.3 |
14.9 |
23.3 |
40,2 |
53.4 |
併用薬:デキストラン40・ブドウ糖、ファモチジン、ヘパリンナトリウム、オメプラゾール、フロセミド、ミダゾラム |
| 2 |
男・
70代
脳梗塞
(糖尿病、心筋梗塞、心房細動、閉塞性動脈硬化症)
60mg
2日間
30mg
1日間
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腎不全、肝不全、呼吸不全
投与開始曰:脳梗塞に対して本剤投与開始。
投与2日目:肝不全発現。トランスアミナーゼ上昇。凝固,線溶異常。FFP(新鮮凍結人血漿)輸血。
腎不全発現。腎機能低下,乏尿。CHDF(持続的血液透析濾過法)実施。
呼吸不全発現。頻呼吸,酸素化不良.肺野透過性低下。パニペネム・ベタミプロン投与開始。
脳単純CTにて,左前頭側頭葉梗塞。
投与3日目(中止日):肝庇護薬投与(11日間)。人工呼吸実施(7日間)。
本剤投与中止。
血液ガス分析
室空気;pH7.430, PaCO2 23.8, PaO2 58.6, BE-6.6
挿管後 O2 50%
同期式間欠的強制呼吸;pH7.375, PaCO2 27.2, PaO2 86.8, BE-8.1,
中止4日後:FFP輸血、 CHDF終了。
中止5日後:補液及び利尿薬投与。
中止6日後:抜管、自発呼吸、酸素化良好、呼吸不全軽快。
血液ガス分析
経鼻3L;pH7.439, PaCO2 39.6, PaO2 95.3, BE+2.0
中止10日後:トランスアミナーゼ、ビリルビン低下。 凝固・線溶改善傾向。
尿素窒素、血清クレアチニン低下傾向。自尿増加。
補液及び利尿剤終了。
肝不全、腎不全軽快。
|
投与開始日 |
投与2日目 |
投与3日目
(中止日) |
中止3日後 |
中止6日後 |
中止10日後 |
| BUN(mg/dL) |
35.4 |
57.2 |
54.4 |
41,8 |
49.3 |
39.3 |
| 皿清クレアチニン(mg/dL) |
1.1 |
4.1 |
3.7 |
3.4 |
3.2 |
0.8 |
| 白血球致(/mm3) |
7,500 |
14,100 |
15,500 |
9,600 |
9,600 |
6,900 |
| 血清K(mEq/L) |
5.7 |
6.1 |
4.4 |
4.0 |
3.7 |
3.9 |
| 尿量(ml/24hrs) |
- |
- |
405 |
394 |
3,800 |
2,810 |
| AST(GOT) (IU/L) |
64 |
13,070 |
8,970 |
324 |
66 |
42 |
| ALT(GPT) (IU/L) |
40 |
4,640 |
3,670 |
458 |
140 |
62 |
| Al−P (IU/L) |
187 |
281 |
353 |
293 |
310 |
309 |
| LDH (IU/L) |
- |
14,850 |
10,420 |
360 |
266 |
276 |
| DLST |
S.I 119% 陰性 |
併用薬:ヘパリンナトリウム、パニペネム・ベタミプロン、アスピリン、ジゴキシン、スピロノラクトン、プラバスタチンナトリウム、ファモチジン、フロセミド、塩酸メキシレチン、ボグリボース、ヒトインスリン(遺伝子組換え)
|
| 3 |
男.
60代
脳血栓症
(肝細胞癌, 糖尿病性 腎症)
60mg
4日間
|
急性腎不全、低ナトリウム血症
投与開始日:脳血栓症の診断(ろれつ困難,右片麻癖)で入院。本剤60mg,デキストラン40、ブドウ糖500ml、,オザグレルナトリウム40mg投与開始。
投与3日目:デキストラン40、ブドウ糖投与中止。
投与4日目(中止日):尿量減少(889→324ml/日),体重増加1.4kg(BUN
50→43。 Cr3.0→4.5, Na 136→127)。本剤投与中止。フロセミド100mg静注。
中止1日後:尿量801ml。アルブミン50mlを3日間投与。BUN47, Cr5.37, Na 124, オザグレルナトリウム中止。フロセミド40mg分1内服。
中止2日後:尿量1,105ml、BUN 51,Cr 6.36, Na 122, 体重1Kg減。生理食塩液
500ml+50%ブドウ糖5A,炭酸水素ナトリウム20ml×2/日開始。
中止7日後:フロセミド20mg分1に減量。
中止12日後:急性腎不全軽快,低ナトリウム血症回復。退院。
|
不明 |
投与4日目
(中止日) |
中止1日後 |
中止2日後 |
中止3日後 |
中止4日後 |
中止5日後 |
中止6日後 |
中止8 日後 |
中止11日後 |
| 尿量(mL/24h) |
889 |
324 |
801 |
1,105 |
1,090 |
1,558 |
1,886 |
2,829 |
2,521 |
2,121 |
| BUN(mg/dL) |
50 |
43 |
47 |
51 |
52 |
48 |
- |
- |
44 |
49 |
| 血清クレアチニン(mg/dL) |
3.0 |
4.5 |
5.37 |
6.36 |
6.43 |
6.12 |
- |
- |
5.22 |
4.70 |
| 血清Na(mEq/L) |
136 |
127 |
124 |
122 |
127 |
132 |
- |
- |
136 |
134 |
併用薬:デキストラン40・ブドウ糖、オザグレルナトリウム |
| 4 |
男.
70代
脳梗案
60mg
14日間
|
急性腎不全
投与5日前:再発性右鼠径ヘルニア手術施行。
投与4日前:ろれつ緩慢,右片麻痺出現。脳梗塞発症。
投与2日前:心房細動に対しジゴキシン(注射剤)投与開始。夜間無呼吸出現。尿量
600ml+α
BUN25.9, 血清クレアチニン1.2
.
投与1日前:浮腫に対してフロセミド(注射剤)投与開始。
投与開始日:脳梗塞に対して本剤投与開始。
投与9日目:尿量810ml、BUN27,8、 血清クレアチニン1.0
.
投与12日目:尿量低下傾向,640ml/日。
投与14日目:本剤投与終了。
終了1日後:尿量低下,700ml/日。
終了2日後(発現日):急性腎不全発症。尿量低下450ml/日,BUN
82.8,血清クレアチニン2.0。
終了5日後:BUN 136.5, 血清クレアチニン3.8.
終了7日後:死亡(死因:虚血性心疾患,肺炎,急性腎不全)
|
投与
2日前 |
投与
9日目 |
投与3日目
(中止日) |
投与
14日目 |
終了
1日後 |
終了
2日後 |
終了
5日後 |
| BUN(mg/dL) |
25,9 |
27.8 |
- |
- |
- |
82.8 |
136.5 |
| 血清クレアチニン(mg/dL) |
1.2 |
1.0 |
- |
- |
- |
2.0 |
3.B |
| 尿量(mL/24h) |
600+α |
810 |
640 |
1,040 |
700 |
450 |
2,500 |
| 血清Na(mEq/L) |
142 |
141 |
- |
- |
- |
153 |
151 |
| 血清K(mEq/L) |
4.0 |
4.2 |
- |
- |
- |
4.2 |
3.9 |
| 血清Cl(mEq/L) |
108 |
103 |
- |
- |
- |
116 |
109 |
| 血清Ca(mEq/L) |
3.8 |
4.1 |
- |
- |
- |
4.1 |
3.8 |
| 血清CPK(IU/mL) |
153 |
378 |
- |
- |
- |
376 |
- |
併用薬:ジゴキシン、フロセミド、維持液(6)、糖・電解質・アミノ酸製剤、ニトログリセリン、ファモチジン、アスピリン・ダイアルミネート、クロナゼパム |
症例内訳
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入手症例数 |
死亡例数 |
| 50代 |
2例 |
1例 |
| 60代 |
7例 |
- |
| 70代 |
10例 |
3例※ |
| 80代 |
8例 |
7例※ |
| 90代 |
2例 |
1例 |
| 合 計 |
29例 |
12例 |
※:因果関係不明の死亡症例を各1例含む
緊急安全性情報
「禁忌」及び「使用上の注意」
「禁忌」及び「使用上の注意」を下記のとおり改訂いたしました。なお,改訂理由は市販後の急性腎不全あるいは腎機能障害の増悪の症例報告に基づくものです。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
(1)重篤な腎機能障害のある患者〔腎機能障害が悪化するおそれがある。〕 |
【使用上の注意】
1.慎重投与(次の患者には]慎重に投与すること)
(1)腎機能障害のある患者〔腎機能障害が悪化するおそれがある。〕
(2)肝機能障害のある患者〔肝機能障害が悪化するおそれがある。〕
(3)心疾患のある患者〔腎機能障害があらわれるおそれがある。〕
2.重要な基本的注意
急性腎不全又は腎機能障害の増悪があらわれ,致命的な経過をたどること
があるので,本剤投与中及び投与後は腎機能検査を実施するなど観察を十分に行い,乏尿等の異常が認められた場合には,直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。とくに80歳以上の患者においては,致命的な経過をたどる例が多く報告されているので注意すること。
3.副作用
(1)重大な副作用
1) 急性腎不全(頻度不明):急性腎不全があらわれることがあるので,腎機能検査を実施するなど観察を十分に行い,乏尿等の異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2) 肝機能障害,黄疸(いずれも頻度不明):AST(GOT),ALT(GPT),Al−P,γ−GTP,LDHの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,肝機能検査を実施するなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
4.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので,副作用があらわれた場合は投与を中止し,適切な処置を行うこと。とくに80歳以上の患者においては,致命的な経過をたどる例が多く報告されているので注意すること。
(改訂箇所のみ掲載しております。)
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