2007年3月
 No.06-01

緊急安全性情報

タミフル服用後の異常行動について

 抗インフルエンザウイルス剤、タミフルカプセル75、タミフルドライシロップ3%につきましては、今年2月に入り、タミフルを服用したとみられる10代のインフルエンザ患者様が、自宅で療養中、自宅マンションから転落死するという痛ましい事例があったことから、2月28日、厚生労働省は、医療関係者に注意喚起を行ったところです。弊社におきましても、インフルエンザ治療開始後の注意事項についてご説明いただくようお願いして参りました。
しかしながら、3月20日、タミフルの服用後に10代の患者様が2階から転落して骨折したとする症例が2例報告されたことから、本剤の使用に際しましては、特に下記の点に十分注意下さいますようお願い申し上げます。




10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。

 また、小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、
(1)異常行動の発現のおそれがあること、
(2)自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮すること
について患者・家族に対し説明を行うこと。

なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。



中外製薬株式会社 医薬情報センター
TEL:0120-189706



3月20日に報告された2例を紹介いたします。 症例1, 症例2


【異常行動】:国内報告

患者 1日投与量
投与期間
副作用 転帰
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置

10代
B型インフルエンザウイルス感染症 150mg
1日間
投与前日 発熱発現。
投与開始日 医療機関でB型インフルエンザウイルス感染症と診断され、昼と夜に本剤内服。
深夜、1階で母親とともに就寝。約30分後、突然2階に駆け上がったが、母親が連れ戻す。その後、もう一度2階に駆け上がり、母親が追いかけたが間に合わず、ベランダから飛び降りる。
右足かかと骨折。その他の検査で異常なし。

受診時は、受け答えができる状態で、飛び降りた時の記憶はないとのこと。
解熱剤(アセトアミノフェン錠)が処方されていたが、服用の有無は確認できず。
以前より、寝ぼけて歩き回ったり、意味のわからないことを言ったりすることが、年2〜3回みられていた。
一昨年、かぜの高熱時熱せんもう(部屋をうろつく、意味不明な発言)がみられた。
回復
併用薬:アセトアミノフェン



【異常行動】:国内報告

患者 1日投与量
投与期間
副作用 転帰
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置

10代
B型インフルエンザウイルス感染症 150mg
1日間
投与開始日 37.8℃の発熱発現。医療機関でB型インフルエンザウイルス感染症と診断され、本剤を昼と夜内服。
投与2日目
(投与中止日)
深夜、素足で外に出て50m程先の駐車場に向かって走り出す。父親が家に入れたが、そのまま2階に走って行き、窓を開けて飛び降りた。寝ぼけた様子で土の上に座っており、応答ははっきりせず。右膝蓋骨骨折。入院後、インフルエンザ脳症の可能性を考慮し、治療開始。10時間後、独り言、突然笑い出すなどの症状が認められた。
投与中止2日目 意識清明を確認。
投与中止8日目 退院。

入院時及び回復期の頭部MRI、脳波では明確な所見認めず、回復も早いことから脳症の経過とは考えにくい。
回復
併用薬: プラノプロフェン、塩酸アンブロキソール





緊急安全性情報



【警告】の項を以下のように改訂しました 。
(下線  部 改訂個所)

タミフルカプセル75
【警告】

1.本剤の使用にあたっては,本剤の必要性を慎重に検討すること(<効能・効果に関連する使用上の注意>の項参照)。
2.10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。
また、小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、(1)異常行動の発現のおそれがあること、(2)自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。

3.インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチン療法であり,本剤の予防使用はワクチン療法に置き換わるものではない。



タミフルドライシロップ 3 %
【警告】

1.本剤の使用にあたっては,本剤の必要性を慎重に検討すること(<効能・効果に関連する使用上の注意>の項参照)。
2.10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。
また、小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、(1)異常行動の発現のおそれがあること、(2)自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。

3.本剤の予防効能での使用は推奨されていない。













<参考>
添付文書抜粋



【警告】

1.本剤の使用にあたっては,本剤の必要性を慎重に検討すること(<効能・効果に関連する使用上の注意>の項参照)。
2.10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。
また、小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、(1)異常行動の発現のおそれがあること、(2)自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。

3.本剤の予防効能での使用は推奨されていない。

   下線部今回改訂部分


【禁忌】

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある者


【効能又は効果】
○A型又はB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防 


<効能又は効果に関連する使用上の注意>
1. 治療に用いる場合には、抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ、患者の状態を十分観察した上で、本剤の使用の必要性を慎重に検討すること。 

2. 予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。 
(1) 高齢者(65歳以上) 
(2) 慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者 
(3) 代謝性疾患患者(糖尿病等) 
(4) 腎機能障害患者(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照) 


3. 1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性及び有効性は確立していない(「小児等への投与」の項参照)。 

4. 本剤はA型又はB型インフルエンザウイルス感染症以外の感染症には効果がない。 

5. 本剤は細菌感染症には効果がない