◎間違えやすい薬品名にご注意ください。   (2006.2.7更新)

『2005年9月に、東京都練馬区で、切迫早産と診断されていた女性に、子宮の運動を抑える「ルテオニン(ウテメリンの後発品)」という薬を処方しようとして、誤って「メテナリン」という子宮の収縮を促進する薬剤を処方し、破水して自宅で出産。男児は別の病院に運ばれたが、翌日死亡した。』という報道がありました。
当院では、『メテナリン錠』はありませんが、注射剤の『メテナリン注』および『ウテメリン注』および『ウテメリン錠』を購入しておりますので、誤って処方することの無いように、よりいっそうの注意をお願いします。



◎間違えやすい薬品名にご注意ください。   (2003.10.22更新)

2002年に、『大阪で、手の震えを抑えるため「アルマール」という薬を処方しようとして、誤って「アマリール」という薬を処方し、80代の女性が2度にわたって低血糖発作で意識障害に陥いった』という報道がありました。
また、2000年には、『北海道で「アルマール」と間違えて「アマリール」を渡された患者が重体になった』という報道もありました。

経口血糖降下剤である「アマリール錠」(アベンティス ファーマ)は、過量投与の時には、脱力感、発汗等を伴う低血糖があらわれることあると記載されています。
一方、β遮断系血圧降下剤の「アルマール錠」(住友製薬)の過量投与では徐脈、完全房室ブロック、心不全などがあらわれることがあると記載されています。

 薬名の先頭2文字を見ると『アル』と『アマ』で間違えそうにはないのですが、『アルマー』と『アマリー』でうっかりすると間違えてしまう名前です。
いずれにしろ、取り違えて服用すると、重大な事故につながりかねない薬剤です。

 同じように注射薬でも非常に似通った名前があります。その例が「サクシン注」と「サクシゾン注」です。
「サクシン注」(山之内製薬)は骨格筋弛緩剤で麻酔などの時の筋弛緩に用いられます。
副作用として呼吸抑制、 心停止 、気管支痙攣などが記載されています。
「サクシゾン注」(日研化学薬品)は副腎皮質ホルモン剤で喘息発作やアレルギーなど多くの症状を改善するために用いられます。
副作用としては、アナフィラキシー様症状、喘息発作増悪 、続発性副腎皮質機能不全、糖尿病などが記載されています。
 これらについても、2000年に『富山県の病院で「サクシゾン注」を投与するところを誤って「サクシン注」を注射され、その患者が死亡した』という事故が報道されました。
この場合は、「サクシ」までが一緒で、やっと4文字目で異なるという名前です。
こうなると、かなり注意深く見ないと間違えてしまいそうな名前ですね。

 この他にも、就眠剤として「デパス錠」を処方するところを誤って「デパケン錠」を処方されたことがありました。この時は、「寝る前に屯用」という用法でしたので、薬剤部でのチェックによって見つけられ、医師に確認した上で、デパスに変更することができました。
この「デパケン錠」(協和醗酵)は抗けいれん剤で、過量投与の時には、眠気、いらいら、不穏、多動の時期を経て四肢の痙縮、興奮、異常行動、常同行動、意味の無い会話などの意識障害等があらわれることがあると記載されています。
「デパス錠」(三菱ウエルファーマ)は抗不安剤で、就眠剤としてもよく用いられます。
この例のように痙攣と関係がない人が「デパケン錠」を服用すると、過量投与の症状が出やすいため、何事もないうちに見つけられたのは幸いでした。

 また、非ステロイド系鎮痛剤と一緒に「ムコスタ錠」を処方するつもりで、「ムコダイン錠」が処方されたこともあります。
この時にも、非ステロイド系鎮痛剤と去痰剤の組み合わせはおかしいということで、薬剤師が医師に確認した上で、「ムコスタ錠」に変更されました。
この場合は、いずれの副作用も、食欲不振や腹痛などの消化器症状で大事には至らないと考えられますが、それでも、処方ミスや調剤ミスは許されません。

 表にも記していますが、間違えやすい薬の組み合わせの中には、経口血糖降下剤などのように重大な結果をもたらす薬だけでなく、「チウラジール錠」と「チラージンS錠」のように全く逆の作用をするものもあります。

 そこで、『!アマリール(1mg/T) ナマエ』とか『50 チラージン S (1mcg/T) ナマエ』というように薬品名の前後に『!』や『ナマエ』といったマークや文字を表示して、間違えないように注意を喚起しています。

 当院薬剤部では、患者さんご自身でも確認していただけるように、薬剤部窓口でお薬をもらって帰られる患者さんには、薬の写真が入った『お薬の説明』用紙もお渡ししています。
疑問があったら遠慮なく申し出て、十分に納得してお帰り頂くように、お願いします。

表  間違えられやすい薬品名の例
( 1) アルマール錠 血圧降下剤    (大日本住友製薬)
   アマリール錠 経口血糖降下剤  (アベンティス ファーマ)
( 2) エクセラーゼカプセル 消化酵素剤   (明治製菓)
   エクセグラン錠    抗てんかん剤  (大日本住友製薬)
( 3) グリチロン錠 肝疾患治療剤   (ミノファーゲン製薬)
   グリミクロン錠 経口血糖降下剤  (大日本住友製薬)
( 4) サクシン注   骨格筋弛緩剤 (アステラス製薬)
   サクシゾン注  ステロイド剤 (日研化学薬品)
( 5) チウラジール錠 甲状腺ホルモン生成抑制剤 (三菱ウェルファーマ)
   チラージンS錠 甲状腺ホルモン剤     (帝國臓器製薬)
( 6) デパケン錠  抗けいれん剤  (協和醗酵)
   デパス錠   抗不安剤   (三菱ウエルファーマ)
( 7) ノイロビタン錠  ビタミンB複合剤 (アステラス薬品)
   ノイロトロピン錠 鎮痛剤 (日本臓器製薬)
( 8) ムコダイン錠 去痰剤            (杏林製薬)
   ムコスタ錠  防御因子増強系消化性潰瘍用剤 (大塚)